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AI 社長ブログ

AIに聞けば分かる記事を、わざわざ自社サイトに置く意味はあるのか | 弊社の実体験から考える 

AIに聞けば分かる記事を、わざわざ自社サイトに置く意味はあるのか | 弊社の実体験から考える 

「AIで記事を量産すれば、集客できますよ」
「キーワードを渡すだけで、月に20本でも30本でも作れます」 

最近、こうした提案やサービスを目にする機会が、本当に増えました。

効率の話としては、よくできた仕組みだと思います。コストは抑えられ、記事数も増え、検索流入の機会も広がる。短期的に見れば、十分に魅力的な選択肢に見えます。

ただ、長く商売をされている方ほど、こうした話に独特の警戒心を感じるのではないでしょうか。

私自身、2023年頃からAIを使ってコンテンツを書く方法を、いろいろ試してきました。なかには、恥ずかしながら、上手くいかなかったやり方もあります。

先にお伝えしておくと、この記事はAIを否定するものではありません。弊社も、日々コンテンツの執筆にAIを活用しています。

そのうえで、同じ「AIを使う」と言っても、その使い方は大きく二つに分かれます。弊社の実体験を踏まえながら、その違いをこの記事ではお伝えしたいと思います。

1〜2年後、自社サイトに何が積み上がっているか。短期の効率ではなく、長期の視点で考える材料になれば嬉しく思います。

そもそも「AIでコンテンツを作る」とは

さて、そもそもAIでコンテンツを作るとはどういうことでしょうか?

私は、その作り方は大きく二つに分かれると感じています。

①AIにまかせて書かせる作り方
②人が考え、AIで磨く作り方 

どちらの作り方を選ぶかによって、中長期的に積み上がるコンテンツ資産は大きく変わってくる、と考えています。

私自身はこのどちらも実際に試してきたうえで、現在は後者の作り方を選んで運用しています。なぜそう考えるに至ったのか、二つの違いを明確に押さえたうえで、このあと順番に整理していきます。

AIコンテンツの2つの作り方

①AIにまかせて書かせる作り方 

ひとつめは、AIにまかせて記事を書かせる作り方です。

キーワードや大まかなテーマをAIに渡し、生成された文章をベースに、誤字や表現を整えて公開する。人間が関わるのは、入口の指示出しと、出口の確認だけです。記事の中身を考えているのは、ほぼAIということになります。

短時間で大量の記事を作れるのが、この作り方の特徴です。人間が中身を考える工程を、ほぼスキップできるためです。

実際、2026年現在、この作り方をベースにしたAIライティングツールやSEO記事制作代行サービスは、数多く提供されています。月額数千円から始められるツールから、月50記事以上を代行する制作サービスまで、選択肢は豊富にあります。

②人が考え、AIで磨く作り方

もうひとつは、人が考え、AIで磨く作り方です。 

まず、この記事のゴールは何か。誰に向けて書くか、何を伝えたいか、その背景にある自分の考えは何か。こうした記事の出発点を、書き手自身が言葉にしていきます。

そこからAIに自分の考えを投げ、返ってきた視点を受けて、また考え直す。

この往復のなかで、書き手の考えそのものが整理され、深まっていきます。AIは、書き手の思考を磨き込むための道具として働きます。

人間が考える工程に時間をかける作り方であるため、AI主体で書かせる作り方と比べれば、当然ながら時間はかかります。それでも、書き手自身が中身に責任を持って向き合えるのが、この作り方の特徴です。

AIに記事を書かせて、弊社で実際に起きたこと 

ここまで二つの作り方を整理してきましたが、私自身、その両方を試してきました。

最初は、AIに記事を書かせる運用に近い形から入りました。2023年頃から、自社が運営していたメディアサイト(現在は公式サイトに機能統合)で、実験的にいろいろなパターンを試していました。

AIにテーマを渡してほぼ任せて書かせる形もあれば、構成、執筆、文章校正といった工程ごとに、それぞれ専用のカスタムGPTを使い分ける形もありました。

AIをどう使えば効率的にコンテンツが作れるか。当時はそんなことをずっと考えていました。今振り返ると、それは中長期的に資産を積み上げるというよりも、短期的な成果を求めたテクニカルな手法だったと思います。

コンテンツを増やしていくと、表示回数はそれなりに伸びていきました。実際の数字を見ていただいた方が早いと思います。

Search Console推移(2025年2月〜2025年12月)
Search Console推移(2025年2月〜2025年12月)

2025年2月から12月までの約11ヶ月間で、検索結果に表示された回数は186万回。一方で、クリック数は4,249回。CTRは0.2%にとどまり、掲載順位の平均も41.9位という水準です。

表示回数だけを見れば「コンテンツが届いている」ように見えます。しかし、実際にはほとんどクリックされていない。表示はされても、選ばれていない、ということです。

加えて、ある時期から表示回数自体も急激に下がっていきました。一度はインデックスされていた記事が、途中で外されるケースも増えていきました。検索結果に出ていたはずの記事が、いつの間にか出てこなくなっている、という状態です。

なぜこうなったのか。検索アルゴリズムの変動、サイト全体の構造、コンテンツのテーマ選定など、要因はさまざま考えられます。AIに書かせる運用のせいだと、一概には断定できません。

それでも、自分の中で一番大きな反省として残っているのは、当時のコンテンツが短期的なテクニカルな手法に寄っていたことです。

表示回数は集められても、クリックには繋がらない。実験的にAIに書かせていた記事は、読み手にとって本質的な価値を持つところまで届いていませんでした。

この経験から、今は人間が主体でAIを補助として使う作り方に切り替えて運用しています。

短期的な成果を狙う運用ではないため、数字としてすぐに変化が出るものではありません。それでも、書き手自身の考えと経験を反映した記事を、一本ずつ積み上げていく。今はこの姿勢で取り組んでいます。

ここで気づいたことがあります。こうした失敗は、AIで記事を量産する時代に始まった話ではないということです。

「とにかく記事数を増やせば伸びる」が崩れてきた歴史

SEOの世界では、「数を増やせば伸びる」という発想が、何度も形を変えて現れてきました。そのたびにGoogleは評価のあり方を見直し、本質的でない手法は通用しなくなっていきます。

なお、Googleが過去にどのようなアップデートを行ってきたかは、別記事「【2025年】Googleコアアップデート最新情報まとめ|仕組み・目的・確認方法も解説」で詳しくまとめています。

ここでは、本題に必要な範囲で振り返ります。

キーワードを詰め込んだ記事が、上位に表示されていた時代がありました

今でこそ笑い話のようですが、検索キーワードをどれだけ多く詰め込めるか。それが検索順位を左右していた時代があります。

文章の自然さよりも、キーワードの出現回数や密度。読者の体験よりも、検索エンジンに合わせた最適化。読者にとって読みやすいかどうかは、二の次でした。「SEO対策」と言えば、こうしたキーワードのテクニックを指すことが多かった時期があります。

ただ、Googleはそれを放っておきませんでした。2011年から始まった「パンダアップデート」を皮切りに、低品質なコンテンツへの評価を見直す動きが本格化します。キーワードを詰め込んだだけの記事や、コピーで済ませた記事は、徐々に上位から姿を消していきました。

それっぽい記事が量産されていた時代もあります

専門知識のないライターに、テーマとキーワードを渡して記事を量産するやり方も、SEOの世界では広く行われてきました。

一記事あたり数千円という単価で、月に何十本もの記事を生み出していく。SEOの主流の手法のひとつとして、運用されていた時期があります。

この手法そのものは、いまも完全になくなったわけではありません。

ただ、近年のGoogleが評価軸として打ち出してきた「経験(Experience)」「専門性(Expertise)」「権威性(Authoritativeness)」「信頼性(Trustworthiness)」、いわゆるE-E-A-Tという考え方のもとでは、こうした記事は、上位に表示されにくくなってきています。

書き手が業界の中身を知らないまま書いた記事は、どうしても情報の寄せ集めになりがちです。

「誰が書いたか」「どんな経験や専門性があるか」が問われる時代では、現場を知る人が書いた記事との差が、はっきり出ます。

手段は変わっても、評価される本質は変わっていません

キーワード詰め込み、外注ライターによる量産、そして今のAIによる量産。

手段は時代とともに変わってきました。それでも、Googleが評価しようとしているものは、ずっと一貫しています。

読み手にとって本質的な価値を持つコンテンツかどうか

この一点です。

数を増やすこと自体が悪いわけではありません。問題は、数を増やすことが目的になり、中身が薄くなってしまうこと。読み手の役に立たないコンテンツが、検索結果に並んでしまうことです。

そう考えると、AI任せで闇雲に記事を量産する施策が今後どうなっていくかも、ある程度予測がつくのではないでしょうか。

AIに聞けば分かる情報を、わざわざ自社サイトに置く意味があるのか 

ここで、一度立ち止まって考えてみてください。

いま自社サイトに公開している記事、あるいはこれから公開しようとしている記事は、AIに尋ねたら答えが返ってくるような内容でしょうか。

もしそうだとしたら、その記事は何のために、自社サイトに置かれているのでしょうか。 

AIが持てない「一次情報」こそ、読者があなたに求めている情報です 

読者があなたの会社のサイトに足を運ぶのは、一般論ではなく、その会社でなければ書けない情報を求めているからだと思います。一般的に「一次情報」と呼ばれるものです。

たとえば、現場で実際に見たお客様の反応。
手を動かしてみて初めて分かった失敗の経験。
自社のサービスを通じて積み上がった具体的な数字や事例。

こうした情報は、その場にいた人間にしか書けないものです。

先ほどお見せしたSearch Consoleの数字も、ひとつの一次情報です。AIにいくら尋ねても、弊社が実際に運用していた数値や、その時に考えていたことは出てきません。
AIにできることは、すでに世の中にある情報を集めて整理することです。

一方で、その場にいた人間しか持っていない事実や経験は、AIには再現できません。
そして、その人間にしか書けない情報こそ、読者が求めているものなのではないでしょうか。

今やっていることは、1年後2年後に積み上がっているでしょうか

ここまでお伝えしてきた話を、最後に一つの問いに集約させてください。

いま自社で取り組んでいる、あるいは取り組もうとしているコンテンツ施策で、1年後2年後、自社サイトには何が積み上がっているでしょうか。

短期的な記事数や検索流入の数字ではなく、「自社にしか書けない、誰かの役に立つ記事が、ここに残っている」。
そう言える状態になっているかどうか、ということです。

「AIを使う」と一言で言っても、AIに任せて書かせるのか、人間が主体で考えてAIに磨き込みを手伝わせるのか。この違いが、1年後2年後に手元に残るものを決めます。

AIにまかせていい部分はどこで、自分たちの言葉で書くべき部分はどこか。
その境界線を引く手がかりは、「AIに尋ねれば答えが返ってくる内容かどうか」という、先ほどの問いにあります。

自社の事業や、お客様の顔を思い浮かべながら、改めて検討してみてください。 

弊社も、その問いと向き合いながら、日々コンテンツを書いています。

すぐに大きな成果が出るわけではありません。それでも、目の前のお客様や、これから出会う方々に、自分たちの言葉で届けたいことがある。そう思って、一本ずつ積み上げています。

この記事が、ご自身のコンテンツ施策を立ち止まって見直す、一つのきっかけになれば嬉しいです。

1年後、2年後の自社サイトを、一緒に考えませんか

奈良のWeb制作会社・シンクション

「自社にしか書けない一本」を、どう積み上げていくか。
方向性の整理から、一緒に考えさせてください。
社内で方向性がまだ固まっていない段階でも、お気軽にどうぞ。

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この記事の執筆者

吉村 健太朗

吉村 健太朗

代表取締役

業界歴6年以上。 営業職や新規事業の立ち上げを経て、2020年にWeb業界へ参入。奈良を拠点に、中小企業のWeb戦略立案・サイト制作・運用を行っています。ただサイトを作るのではなく、事業の目的や状況を深く理解したうえで最適な打ち手を一緒に考えることを大切にしています。

お電話でのご相談も受け付けています。
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