信頼を、かたちにする。弁護士の想いから始まったブランドづくり
オルタナ法律事務所様
弁護士
プロジェクト概要
業種:法律事務所(奈良県奈良市)
内容:相続・離婚の専門サイト制作/撮影ディレクション/ロゴ制作/SEO設計
公開:相続専門サイト(2025年)/離婚専門サイト(2026年)
制作サイト:alt-law-souzoku.com(相続)/alt-law-rikon.com(離婚)
奈良県奈良市のオルタナ法律事務所は、相続・離婚・交通事故を中心に手がける法律事務所です。「人の想いを、法律で支える」を理念に、一人ひとりが何を大切にしたいかに寄り添う姿勢を大切にされています。

オルタナ法律事務所 代表 田中悠介様
弁護士に相談するとき、私たちは何を見て「この人にお願いしよう」と決めているのでしょうか。料金でしょうか。実績の件数でしょうか。おそらく、そのどれでもありません。相続や離婚のような場面で、初めて弁護士を探す人のほとんどは、比べるための物差しを持っていないからです。
そしてこれは、弁護士を選ぶときだけの話ではないかもしれません。目に見えにくい価値を、どう伝え、どう信頼してもらうか。
今回は、相続・離婚と専門サイトを立ち上げ、統一ロゴまでつくってきた歩みを、田中先生ご本人の言葉とともに振り返ります。
「集客に困っていた」すべては、一本の相談から
きっかけは、集客の悩みでした。
「まず集客に困っていたんです。特に頑張りたいと思っていたのが相続で。相続と離婚と交通事故、この分野でホームページからの集客ができないかな、と思ってお願いしました」
もともとオルタナ法律事務所様は、弁護士ポータルサイトを中心に集客をされていました。一定の成果は出ていたものの、「自分たちがどんな事務所なのか」「何を大切にしているのか」が、ポータル経由ではどうしても伝わりきらない。地域の法律事務所として、まず相談したいと思ってもらえる存在になりたい。そんな課題感がありました。
その第一歩が、相続の専門サイトでした。
一つずつ、専門サイトを立てていく
オルタナ法律事務所様には、公式サイトがすでにありました。ではなぜ、そこに全部を詰め込むのではなく、相続・離婚・交通事故と、分野ごとに独立した専門サイトを立てていったのか。
その理由を、田中先生はこう話してくださいました。

「専門サイトがある方が、迷いがないんですよね。専門性を分かりやすく示せる。不思議なもので、『何でも弁護できます』より、そっちの方がよく見えるんです。埋もれないし。この先生は何をやっているんだろう、と悩ましいサイトが多いなかで、専門を打ち出すのは、少し差別化になるのかなと」
実際、その手応えも表れているようです。
「専門でやっていない案件の問い合わせが、減ったような気がします。ちゃんと分野を明示しているので。逆に、離婚や相続の相談が、ちゃんと来るようになっている」
「何でも対応します」ではなく「この分野の専門です」と打ち出すことで、届けたい相談が届き、そうでない問い合わせは自然と減っていく。事務所にとっても、相談する側にとっても、迷いの少ない状態が生まれていました。
分野ごとに専門性を立てながら、全体で「オルタナ法律事務所」という一つのブランドを育てていく。この設計思想が、その後のすべてにつながっていきます。
デザインの“意図”まで、届ける

制作では、ディレクターだけでなくデザイナーも交えてヒアリングを行い、デザインが仕上がった後には、その意図や込めた考えを直接お伝えする時間も設けました。田中先生が振り返ってくださったのは、その過程で生まれた手応えでした。
「デザインが入ると、パッと見て『いいな』と思えるものになる。うまく言葉にはできないんですが、作り込まれた感じや、受ける印象の安心感みたいなものが、自然と生まれるんですよね」
やり取りを重ねたからこそ、田中先生自身の思いも反映され、仕上がりへの納得感も深まっていきました。なかでも印象的だったのは、「意味を知れたこと」を何より喜んでくださったことです。
「色使いの理由や、あえて角を落としたところ、この文字が英語になっている意味まで、一つひとつ説明してくれる。作る側は、ちゃんと理由があって作っているんですよね。それを知れたのは、すごく良かったです」
デザインは、なんとなくの好みで決まるものではなく、一つひとつに理由がある。その理由を一緒に確かめながら進められたことが、田中先生の「自分たちのサイトだ」という感覚につながったのだと思います。
「人の想いを、法律で支える」
オルタナ法律事務所様が大切にしている理念があります。
「人の想いを、法律で支える」
法律的な正解を出すだけでなく、相談者が本当は何を大切にしたいのかに向き合う。慰謝料を最大化することだけが、その人にとっての最善とは限らない。田中先生のその姿勢を、サイトを訪れた人にどう感じ取ってもらうか。それが、制作を通してずっと私たちが向き合っていたテーマでした。
だからこそ、デザインのトーンも、載せる写真の選び方も、言葉のひとつひとつも、「オルタナ法律事務所らしさ」や田中先生の人柄がにじむように選んでいきました。硬すぎず、かといって軽くもない。相談する前の不安な気持ちにそっと寄り添えるような、そんな空気を大切にしています。
弁護士という仕事は、一般の方からすると、どうしても敷居が高く感じられるもの。だからこそ、「この人になら話せそう」と思ってもらえるかどうかが、最初の一歩を左右します。その入り口を、デザインと写真と言葉で丁寧につくることが、理念を“伝わるかたち”にするための私たちの仕事でした。
ロゴに込めた、事務所の想い
離婚分野の専門サイトを進めていた頃、田中先生からロゴをつくりたいというご相談がありました。それまで事務所にはロゴがなく、オルタナ法律事務所の「顔」となるものを、きちんとつくりたいという想いがありました。
しかもそれは、「AIではなく、人に頼みたい」というこだわりでした。
「一人でやっていると、自分だけから生まれるものには限界があると思うんです。人と関わって、影響されることで生まれるものって、やっぱりある。それをどんどん取り入れていきたくて」
ロゴの制作は、デザインパートナーであるINtoOUT&Co.さんにお願いしました。打ち合わせに同席し、理念や目的をていねいにすり合わせながら、そのイメージをかたちにしていただきました。

一本の線が角度を変えて伸びていくこのマークには、事務所名の由来である「オルタナ(alternative=もう一つの選択肢)」の姿勢や、理念「人の想いを、法律で支える」が込められています。色は、日本の伝統色「納戸色」。「信頼して預けられる」という意味を持つ、落ち着いた藍色です。ロゴに込めた一つひとつの意味は、INtoOUT&Co.さんの制作事例でも詳しく紹介されています。
「使っているうちに、だんだん馴染んでくる。ロゴには、そういう力があると思うし、育てていくものでもある気がします」
一人だけでは生まれなかったものを、人に託して形にする。田中先生のその選択が、そのまま、オルタナ法律事務所というブランドの輪郭になりました。
なぜ、続けて頼んでくれたのか
相続、離婚、そして交通事故。一つで終わらせず、続けて専門サイトを積み上げていく。しかも、そのすべてを私たちに任せてくださっています。三分野を、それぞれ別の会社に頼むという選択肢も、当然あったはずです。
なぜ、続けて任せてくださったのか。理由は、私たちの「仕事の進め方」にありました。
「シンクションは、すぐにやり取りを密に取ってくれるし、必要なときには声もかけてくれる。まあ、僕がのんびりしているから、というのもあるんですけど(笑)」
田中先生が見ていたのは、仕上がりだけでなく、そこに至るまでの過程の対応でした。その背景には、こんな考えがあります。
「正直、結果って分からないんですよ。他の人に頼んだら、もっといいものになった、という可能性だってある。でも僕はお客さん(相談者)じゃないので、それは分からない。だとすると、結局どこを見ているかというと、やっている過程の対応なんです。レスポンスがちゃんとあるか。最初から最後まで、つつがなく導いてくれるか。そこに引っかかりがあると、結果そのものの信頼性まで揺らいでしまう。専門性の高い分野は、特にそうで」
丁寧にやり取りが返ってくるか。最後まで安心して任せられるか。その積み重ねが信頼になり、「次もここに」という判断につながっていったのだと思います。私たちが技術以上に大切にしてきた過程での向き合い方を、こうして選ばれる理由として受け取っていただけたことは、何より嬉しいことでした。

これから、オルタナというブランドを育てていく
話は自然と、これからのことへ向かいました。
田中先生が見据えているのは、目先のサイトのことだけではありません。事務所として、五年後、十年後にどうなっていきたいか。一人で抱えきれる量には限界があること。組織化して、理念を共有できる仲間と、安定して質の高いサービスを届けられる体制をつくっていきたいこと。
「一人でこなしていると、だんだん抱えてきて、こなしきれなくなってしまう。複数人で力を合わせてやる、というのは、クオリティも保てるし、安心だし、ストレスも少ない。ちゃんと利益が出て、きちんとしたサービスを提供して、ちゃんとした給料を払える。そういう風にできたらいいですよね」
その未来に向けて、Webやブランドをどう育てていくか。相続に続く離婚、そして交通事故。統一ロゴを軸にした「オルタナ」というブランド。私たちは、その一つひとつを一緒に設計し、育てていく“並走者”でありたいと思っています。
一本のサイトをつくって終わり、ではなく。事務所の五年後、十年後を一緒に描いていく。田中先生が良くなり、私たちも良くなる。そんな関係を、これからも続けていけたらと思っています。

おわりに
「結果」ではなく「過程」で信頼が決まる。田中先生が教えてくださったこの言葉は、そのまま、私たちが仕事で大切にしていることでもありました。
分野を絞るという判断も、デザインの一つひとつに込めた理由も、ロゴに宿した想いも。そのどれもが、田中先生と一緒に、時間をかけて「なぜ」を確かめながら決めてきたものです。仕上がりの良し悪しだけでは測れない、その過程の一つひとつが、信頼を形づくっていくのだと思います。
これは、法律事務所にもWeb制作会社にも、そしておそらく、あなたの事業にも、共通することかもしれません。専門性が高く、「正解」が見えにくい仕事ほど、どんな相手と、どう進めるかが大切になります。
あなたの会社にも、まだ言葉になっていない「らしさ」があるはずです。それを一緒に掘り起こすところから、始めてみませんか。

